ヘンリーの法則

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2つの注射器をチューブでつなぎ、注射器内部には水が入っているとします。

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ピストンを強く引っ張ると、写真のようにチューブの中に気泡ができます。

これはヘンリーの法則により 溶媒に溶ける気体の質量は、気体の 圧力に比例する からです。

圧力が下がると溶媒(水)に溶けていた空気が気泡となって現れます。

油圧装置で液体中に現れる気泡をエアレーションと言い、色々と問題を起こします。

溶解度は溶媒によって違いますが、油圧装置で使われる油は水よりも溶解度が高いので、油の場合はもっと深刻です。

エアレーションを回避するもっとも簡単な方法は、ピストンを引く時ではなく押すときに 大きな力がかかるようにアームを設計することです。

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そこで思いつくのが油圧ショベルの構造です。

油圧ショベルには3つのシリンダーがアームに付いているのですが
土台に近いシリンダーのみアームの下に付いています。
アームを持ち上げるとき、このシリンダーに最も大きな力が必要なので
エアレーションを回避するために下から押す構造にしたのかも知れません。